
INTERVIEW男性育休のホンネ、キャリアと育児の両立に必要なこと
「令和4年度雇用均等基本調査」(厚生労働省公表)によると、日本国内では男性育休を取得した人は17.13%。過去最高の割合とはいえ、男性育休の社会への浸透にはまだまだ時間がかかりそうです。ワールドサプライでも男性の育休取得者は増え、育児と仕事の両立に取り組む人たちの活躍は会社に多様な価値観を示してくれています。三人の育休事情から見える、男性社員のホンネ。
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――育休取得にあたって、その当時に不安だったことや、職場の理解や周りのサポートはどうでしたか?
I:僕の場合、当時、FLS部としてはじめて男性の育児休業取得だったので、「本当に取得していいのかな、大丈夫かな」という不安な気持ちから始まりましたが、役員をはじめ上長や近隣施設の手厚いサポートもあって、結果2週間の育児休業を2回に分けて取得(出産時の7月末から8月中旬、生まれた後の10月末から11月中旬)することができました。
B:僕はIさんが育休を取ったことで会社に相談しやすかったです。準備しなければいけない書類についてもIさんに教えていただきましたし、僕の場合も2回に分けて取得(出産時の11月中旬から下旬、生まれた後の12月下旬から1月上旬)しました。
H:12月上旬から1月上旬にかけて育休を取得したのですが、これから忙しくなる繁忙期に抜けてしまうということで、現場や周りからの目が気になって不安でした。でも現場のメンバーや上長からは「家族最優先で、仕事のことは気にしないで」と言っていただけたので、ホッとしたのを覚えています。
――Hさんは4週間取得可能な育休を一回で取り切ったんですね。
H:妻が里帰り出産をしたんです。地元が鹿児島ということで東京と行ったり来たりはできないので。今回は二人目の出産だったんですけど、一人目のときは男性育休が世の中にも社内にも浸透していなくて、当時は言いづらさがありました。でも、いまは普通になってきていて。

三者三様、育児と仕事のサポートのかたち
――育休から復職したときの不安や戸惑いはありましたか? 復職後はどのように仕事と家事を両立していますか? 会社からの配慮やサポートもあれば教えてください。
H:復職の際はいつもどおりに迎えていただいたので不安はありませんでした。復職後の業務も特に問題はないですが、僕の仕事は18時から深夜3時が定時なので、夜勤明けに子どもたちの幼稚園の準備や家事を手伝っています。そのサイクルに慣れるまでは苦戦しましたね。
B:僕も不安や戸惑いはありませんでしたし、育休中は会社と一度も連絡を取りませんでした。復帰してからしばらくの間は定時で上がらせてもらいましたので、プライベートと仕事のバランスが良かったです。会社の方たちもサポートをしてくれました。
I:僕の場合は重要な連絡を何回かは取りましたけど、基本的には仕事を忘れることができていました。4週間の育休を2回に分けて取得したからかブランク感はなくて、細かい情報共有をしてもらうだけでスムーズに業務に戻れましたね。浦島太郎のように取り残されたり、自分の居場所がなくなったりする心配もなかったです。復職後の家事分担についても妻と育休中にゆっくり話し合うことができたので問題はありませんでした。
B:育休中はやっぱり妻の大変さを知ることができたのは大きかったですね。家事と育児の両立って大変なんだなって。僕はもともと家事をやってきたタイプなので、基本的には毎日家事をサポートしています。
H:3時間おきにミルクをあげなきゃいけないのは大変ですよね。そこは妻に一番負担がかかるので、なるべく眠れるように僕が変わりに起きてミルクをあげたりしていました。
I:僕も基本的な家事は全部やっていましたね。妻は頑張り屋なので、僕としては友達とランチに行ける時間もつくってあげられたのはよかったです。
――育休を取得したことで、仕事の新たな気付きはありましたか?
I:僕はどうしても自分のポジションにこだわりすぎて、「自分がいなきゃ」という考えにこだわっていたんですけど、育休で誰かに仕事をお願いすることで、協力し合いながらできる仕事なんだということを改めて実感できました。
H:僕の仕事は上司が引き継いでくれました。僕の場合は子どもが二人になって、子どもたちの体調不良で突発的に休まなきゃいけないこともあるので、仕事のサポートをお願いする分、他の仕事でも頑張ろうという気持ちになりました。
B:僕も「子どもの体調が悪いので先に上がります」とか、仕事をお願いすることが増えました。でも、僕の母国のフランスでは男性育休は取得して当たり前のレベルですし、個人的に周りの人が何を思うのかをあまり気にしないタイプなので言いづらさもないですね。
I:自分が育休を取得するとなったとき、クライアントにも育休に入ることを報告しに行ったんです。そこで「すごく良い会社ですね」と言われたのをよく覚えています。

家族円満は仕事へのモチベーション

――会社の育休への理解や制度面で良かった点、改善が必要だと思う点はありますか? また、これから育休を取得する同僚に対して、アドバイスやメッセージをお願いします。
H:育休の取得を考えたときに総務人事グループに相談して、「ぜひ取得してください」と勧めていただいたことによって、上長や現場メンバーにも言いやすかったです。育休を取得する男性社員が少ないので、これから取得を考えている方には制度を有効活用してほしいです。ワールドサプライには相談しやすい環境がありますし、せっかくの制度なので、とことん使うべき。夫婦で子育てを協力し合うことによって、家族円満に過ごせると思いますから。
B:育休を取れて僕も妻もとても助かりました。実は9月にまた育休を取得する予定なんです。次も2回に分けて取得しますし、個人的には子どもが2歳になるまでは毎年育休が取得できるとベストだと思います。やっぱりある程度成長するまではサポートが欠かせないので。育休は父として、家族のために絶対に必要です。また、育休期間中はどうしても収入が下がるので、他の会社で行われている育休職場応援手当(祝い金)などがあると、もっと気兼ねなく取得できるようになると思います。
I:実は育児休業の制度の存在を知らないという男性社員もいるかもしれません。ワールドサプライは福利厚生制度が豊富だけど、もっと育児休業の制度が知りやすい環境づくりも必要だと思います。昔と比べると上の世代の男性社員も育休について寛容ですし、僕も取得しやすい雰囲気づくりを意識していきたいですね。
H:僕も誰かが育休を取るならば自分の経験を話して、何の心配もなく休めるようにサポートしてあげたいですね。
I:育休を取得して、家庭とゆっくり向き合うことで気持ちの余裕が生まれて、仕事に集中できるモチベーションに繋がったので、本当に取得してよかったなと感じています。アドバイスとしては、僕は育休というよりも妻を休ませてあげる期間と考えていたので、育休中は奥様に何もさせないくらいゆっくりさせてあげてください。取得に際してはご自身の環境や状況にかかわらず、まずは上長に相談することをおすすめします。